【鍼灸治療の基礎知識】鍼灸ってなに?その効果は?

鍼灸ってなに?その効果は?

この記事では、鍼灸治療の概要や効果についてご説明します。

鍼灸治療を受けようかどうしようか、迷われている方の参考になれば幸いです。

 

鍼灸治療とは 

鍼灸。「はり・きゅう」、「しんきゅう」と呼ばれます。

古代の中国で生まれた伝統医療です。

病気やその症状に合わせ、経穴・いわゆるツボを刺激します。

刺激の仕方は以下で、その仕方によって、鍼治療と呼ぶか、灸治療と呼ぶかが決まります。

金属でできた細い針を打ったり=鍼治療、 艾・もぐさを置いて燃やす=灸治療 

これらの刺激がツボに加わることで、元々身体に備わっている病気を治す力=自然治癒力を高め、元気にする治療法です。鍼と灸はその目的とする効果の違いから、治療の中で一緒に使われることが多いです。

 

鍼灸の歴史

  飛鳥時代:中国に生まれた鍼灸治療が、仏教と共に日本へ伝わった時代。

        鍼灸と漢方薬(東洋医学)が、【日本の医学の主流】。

江戸時代 幕末:オランダ医学(西洋医学)が日本へ伝わり、少しずつ国民に普及。

   明治初期:政府が、欧米化政策を始める。西洋諸国に習って、近代的な医事衛生制度を導入。

             医学の主流が西洋医学に。鍼灸・漢方が非合法化される。

※戦場で受けた外傷には西洋医学の外科処置の方が役に立つという実践的理由から、

鍼灸・漢方が軽視されたためともいわれています。

    明治35年:鍼灸・漢方の効果が認められ、合法化。

    昭和46年:鍼麻酔に関する報道をきっかけに、

                     世界中の医学研究所・大学・医療機関で科学的な研究がなされる。

            現在:鎮痛、免疫活性、血行改善、自律神経機能改善など、鍼灸の効果が、

                    西洋医学における医療費の高額化・副作用などの欠点を補う治療法として、注目。

日本では医療施設で医療行為として鍼を提供しない制度や、医療としての鍼灸の情報が少ないことなどが影響し、日本での鍼灸治療の受療率は低い。韓国では受療率がもっと高く、米国での受療率は伸びつつある。※先進国における鍼施術制度 第2報 全日本鍼灸学会雑誌 70 巻 (2020) 4 号

 

期待できる効果

鍼治療はWHOでも認められた信頼できる治療法です。

鍼治療により、下記のような疾患や症状に対して効果が期待できると認められています。

 

分類

適応疾患名・症状

上気道

慢性副鼻腔炎

呼吸器

扁桃摘出後疼痛、急性扁桃炎、咽頭炎、喉頭炎、気管支喘息

近視

口腔

抜歯疼痛

内科

下痢、過敏性腸症候群、便秘、腎石疼痛、胆石、胆石疝痛、胆道回虫症、胆道ジオキネジー、狭心症を伴う虚血性心疾患、高血圧、低血圧、不整脈、白血球減少症

神経・筋・骨格系

テニス肘、頚部筋筋膜炎、頚椎炎、上腕肩甲関節周囲炎(肩関節周囲炎)、慢性関節リウマチ、変形性膝関節症、捻挫と打撲、頭痛、片頭痛、緊張性頭痛、坐骨神経痛、腰痛、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、遺尿症、尿失禁、尿閉、メニエール症候群、神経循環性無力症

その他

月経困難症、分娩の誘発、月経異常、女性不妊、男性不妊、インポテンス、肥満、片麻痺、うつ病、アルコール中毒、薬物中毒、術後疼痛

鍼治療では、幅広い病気や症状の改善が期待できます。

 

治療の効果が出るまでの時間

鍼灸治療の効果は、施術の次の日〜数日後までに実感する方が多いです。

効果が出るまでの期間は、

①体質、②症状の重さ、③鍼治療を受けた部位などにより、個人差が出ます。

1回で効果を実感する方もいて、鍼灸治療による刺激を続け、根本の原因が改善されてくるとさらに効果が続きやすくなります。

 

治療を受ける頻度

治療を受け始めた最初は、週1回〜2回程度の頻度で受けます。

このほうが、長年蓄積された体のストレスや、癖が変わりやすいです。結果、症状の治癒が早まります。

効果が安定するようになったら、頻度を徐々に減らしていくケースが多いです。

3週間に1回~月1回のメンテナンスをすると、より、お悩みをぶり返しづらいお体を維持できます。

 

鍼灸治療のメカニズム

鍼灸治療は、以下のようにして体に効果を出します。

①細い鍼をツボに打つ/もぐさをツボの上で燃やす

②体が『異物が体内に入った』『火傷した』と認識

③体が反応

体の反応の種類↓

・血管が広がり血行促進 ⇒筋肉のコリが改善

・脳が痛みを抑える物質を放出 ⇒痛みが和らぐ

・自律神経のバランスが整う ⇒内臓の機能が元気に。血圧や免疫のバランスが整う。

・新しい赤血球を作る  ⇒身体の組織の修復が早くなる

様々な体の反応があるから、様々な症状に対応できます。

 

当院で利用する鍼

当院で使う鍼は、医療用・使い捨てのステンレス製で髪の毛と同じくらいの細さの鍼です。

病院で行う採血の針と比べると、1/4以下の細さです。

 

鍼の打ち方

一言で「鍼を打つ」といっても、打ち方は様々です。

鍼の刺し方

概要

管鍼法

(かんしんほう)

・鍼よりも短いストロー状の管(鍼管)に鍼を通します。わずかに出た鍼の柄の部分を軽く叩いてお肌に鍼を刺す方法

・日本独自の方法で鍼を刺す際の痛みが少ないのが特徴

撚鍼法(ねんしんほう)

・鍼管を使わずに鍼の柄の部分を親指と人差し指で持ち、素早く鍼を刺す方法

・中国や韓国で主流の打ち方

打鍼法

(だしんほう)

・槌(つち)で鍼を叩く方法

・腹部の治療を行う際に使われた方法

鍼の手技

鍼を適切な深さまで刺したあとは、手技が加えられます。

鍼の手技には以下のような種類があります。

手技の名称

概要

単刺術(たんしじゅつ)

・鍼を目的の深さまで刺したらすぐに抜く

雀啄術(じゃくたくじゅつ)

・鍼を目的の深さまで刺したら、上下に動かす

回旋術(かいせんじゅつ)

・鍼を目的の深さまで刺したら、鍼を回旋させる

振せん術(しんせんじゅつ)

・鍼を目的の深さまで刺したら、振動させる

置鍼術(ちしんじゅつ)

・鍼を目的の深さまで刺したら、そのまま数分から十数分、刺したまま置いておく

その他、刺した鍼を電極にして低周波の弱い電流を流す方法もあります。

どの手技を行うかは、目的に応じて鍼灸師の判断により決められます。

 

鍼灸治療は愛媛県東温市の

「鍼灸院・整体院 縁 -えん-」まで

今回は、鍼灸治療の概要とその効果について解説しました。

鍼灸治療は 医師か、鍼灸師のみが行うことのできる効果のある治療法です。

当院では、「鍼が怖い」「痛くないか心配」など気持ちに寄り添い、慎重に治療を行っています。

愛媛県で 痛みにお悩みの方、鍼灸治療に興味をお持ちの方は、

ぜひ愛媛県東温市の鍼灸院・整体院 縁 -えん-へお越しください。